建築ストックの活用が大きな課題となっている現代において、「しなやかに時とともに変化する建築」を探し、中国、インド、東ヨーロッパと四半世紀に亘って世界を旅した著者が、その実例を紹介し、現代建築への応用手法を提示する。海外の有名建築家の自邸からブータンの住居、インドの城郭から東ヨーロッパの教会まで、多彩な建築を示しながら、太っても痩せても着こなすことのできる日本の着物のように、建築の設計に適度な余裕を持たせた柔軟性のある設計が、長い目で有効と主張する。
オールカラーで建築写真をふんだんに掲載。220ページの読み応えのある内容となっている。
著者:南 一誠(みなみ かずのぶ)
芝浦工業大学建築学部建築学科 教授/博士(工学)/S.M.Arch. 1956年石川県生まれ、東京大学工学部建築学科1979年卒業、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了、マサチューセッツ工科大学大学院修了。 郵政省建築部、建設省官庁営繕部を経て現職。専門は建築構法計画、建築設計。